May 25, 2011

2011 AFC Champions League Round16 「2011.5.24 歴史が変わった日」

ガソバ吹田戦 会場:万博記念競技場
スコア:1-0 【前半:0-0 後半:1-0】
得点者:高橋
ACLのラウンド16。本来であればJクラブ同士の対戦はまだ避けたいというところだが、その場面は早々に到来した。対戦相手はガソバ。まさかACLという大舞台で対戦することになるなんて誰が予想しただろう。開幕戦のダービーでは1-2と苦杯を舐めリベンジはホームでのリーグ戦だと思っていたが、絶好の機会が巡ってきた。

ラウンド16のみイレギュラーな一発勝負。セレッソは金曜日にフロンターレとのリーグ戦を終え中3日、対するガソバは中2日と体力的な面ではセレッソが有利。遠藤の出来がキーポイントになるガソバは過密日程になると遠藤のパフォーマンスが著しく落ちることは織り込み済み。前日の会見で西野さんが「ガソバには歴史がある」という発言をしていたが、ベテラン選手の多いチームは平均年齢が高く、若いセレッソより体力的には絶対厳しいのでこの1日が大きなものになると思っていた。

前半の立ち上がりはセレッソペース。攻撃はリーグ戦同様に前線での基点がなく、無理なドリブルを仕掛けてはチグハグな攻撃ではあったものの、この日のセレッソはリスクマネージメントが素晴らしかった。アマラウが抜けた穴は大きく今シーズンのセレッソはボランチのディフェンス力という点がウィークポイントになっていたが、マルチネス、ポギョン共にこの日は守備意思が高くボールロストした後も康太、大海の両CBがつり出されるシーンはほとんど無かった。

なかなかシュートまで持ち込めないでいると次第にガソバペースになったものの、この日のセレッソの高い集中力を継続して守ることが出来れば破綻することはないと安心して観ていられた。リーグ戦でも先制点を奪われる展開が多かっただけに前半を0で抑えることで後半に勝負をかけられる。

前半を観ていて乾の調子が良くないのは一目瞭然。ただ、ノッた時の彼を止めるのはガソバも手を焼くはず。どこで乾を見切り塁を投入するのか。勝負をかけるタイミングさえ間違えなければセレッソのゲームになる。ただ、クルピのこれまでの采配を見ているとなかなか動かないと思っていただけに、後半開始から乾と秋を下げて塁と中後をピッチに投入したのは意外だった。間違いなくこの試合を観ていた人間ならグッジョブ!と思ったことは間違いない絶妙な采配。


するとこの交代が功を奏す。これまで途中交代でもセレッソの前線での基点となっていた塁が入ることにより攻撃のポイントがひとつ前に。変則的な2トップにすることでセレッソの攻撃が活性化すると、ポギョンが前目で効果的なパスを捌く。サイドで主導権を奪うと流れは完全にセレッソ。再三のサイドからのクロス、CKからのセットプレーと押せ押せの時間帯が続くも得点だけが生まれない。ガソバも押し込まれてはいたものの奇麗な形でシュートまでは持って行かせない意地がぶつかり合う好ゲーム。時計の針が進み残り時間は僅か。この流れでゴールを割れずに延長戦はセレッソにとっても厳しい展開になる為に何が何でも90分で勝ちたいと思っていた終盤、プレスからボールを奪うとポギョンが右サイドで溜めを作る。ポギョンのキープ力を信頼してオーバーラップを繰り返していた大輔がポギョンを追い越すとポギョンから大輔にパスが通る。誰もがクロスを予想した展開だったが大輔はガソバのGK藤ヶ谷がクロスを警戒してニアを空けているのを見逃さなかった。ここまでクロスを上げていた布石がこの場面で効果を発揮する。元FWの大輔が迷わず右足を振り抜くと空いたニアを突き抜け値千金のゴールッ!!ただのゴールじゃない。ダービーでガソバにトドメを刺す為のゴール!!ゴール裏スタンドから上がる咆哮が今までにないほどだったことが、如何にこのゴールが大きなものかを物語る。

残り時間は僅か。不用意なファールからセットプレーさえ与えなければ今日のセレッソならやらせない。そう確信した残り時間は2005年Jリーグ最終節のエンディングとは違いそれほど長い時間には感じなかった。一瞬危ない場面もあったがそこも何とか防ぎタイムアップ。これまで煮え湯を飲まされ続けた相手にこの大一番で勝って歴史を変える一戦に。
嬉し過ぎる!!こんな興奮したダービーは今までに無かった。エキスプレッソさんが生で観てたら絶対嗚咽もんであることは間違いない!!(笑)まぁ、私自身も相当感慨深いものがあって思わずホロっときそうになったけど(汗)

まるで優勝したかのように喜ぶセレッソの選手達。ピッチに倒れこむガソバの選手達とのコントラストは対照的で、ダービーとはこういうものだというのを再認識した試合だった。
また、この日はセレッソ大阪の下部組織出身のOBが私の隣で一緒に応援していた。彼らの世代はガソバに勝つことが出来なかったけど、その当時ダービーを闘った選手とこうやって一緒にこの日を迎えれたことはとても感慨深かった。


追記:何故セレッソだけ12節が金曜日開催だったのか。事前の下調べでラウンド16に進出した際にオーストラリアへの遠征という可能性があった為、平日にはメルボルン行きの便がなく貧乏クラブにはチャーター便を手配するには厳しいということもあって、日程変更を打診したところフロンターレからの了承を得られることが出来たとか。色んな可能性を考慮して動いていたクラブ職員の仕事も素晴らしいが、日程変更を受け入れてくれたフロンターレにも感謝しなければならない。この場を借りて御礼を申し上げます。ありがとうございました。この日の勝利はピッチ上の選手だけでなくクラブ、サポーター、セレッソに関わる人たち全員で掴み取った勝利だったことは間違いない。

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